管楽器の此の部分には音の高低を管の長さによって変える為にピストンの擢動部分が有ります。
此の部分は其の隙間が30μ(μ=0.001m/m)と非常に精密に出来て居り、僅かな糸屑、塵埃等によりピストン擢動不円滑の原因になりますから充分注意してお取扱い下さい。
イ.笠ねぢを緩めて外しビストンを取り出して下さい。
ロ.上質の石鹸水でビストンをきれいに洗い、后に冷水ですゝぎます。
ハ.ピストンの水分をきれいな布片で拭いて取り去ります。此のとき布片の糸屑等附着しない様に注意して下さい。
ニ.シリンダーの内部も掃除棒につけた布片に石鹸水を浸して掃除し、后冷水で充分にそゝぎ水分を拭き取って下さい。内部にも糸屑等の附着には充分な注意が必要です。
ホ.掃除の終ったビストンにはカワイ指定のピストンオイルを塗布して下さい。オイルの選定はピストン擢動に欠くことの出来ない大事なことです。
へ.ビストン上部にピストン番号が刻入されて居りますのでシリンダー表面の番号と合せて挿入して下さい。其の時シリンダー内部に有るスピルの掛る溝巾に大、小の区別が有りますのでスピルの巾の大、小と合せて挿入すること。此の入れ方を間違えると空気が通りませんのでご注意下さい。 |